信州大学医学部第二外科

心臓血管外科部門・乳腺内分泌・呼吸器外科部門のスペシャリスト、
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お知らせ

Oh! Happy Days

2012.11.01

英国訪問と第26回欧州心臓胸部外科学会

【ロンドンの鈴木憲先生訪問】

 13年前、世界一周の研修旅行最後の英国で大変御世話になった鈴木憲先生http://www.whri.qmul.ac.uk/staff/suzuki.htmlを久しぶりに訪問しました。

鈴木憲先生は、平成元年に大阪大学をご卒業され、心臓血管外科医として研修された後、Harefield Heart Science Centre, Imperial College Londonで高名なSir Magdi Yacoubのもとで研究をされた後、2007年から現職のProfessor of Translational Cardiovascular Therapeutics, William Harvey Research Institute, Barts and The London School of Medicine and Dentistry, Queen Mary, University of Londonに大抜擢され、現在、心不全に対する再生医療をはじめ多方面の研究をされています。

 

 昨年の第16回日本冠動脈外科学会学術大会で、特別講演をお願いしたお礼を兼ねて、BarbicanSt. Bartholomew Hospital近くのBarts and The London School of Medicine and Dentistryのキャンパス内にある研究室を訪問しました。再生医療の臨床応用に向けた研究だけでなく、細胞分化の基礎的な研究にも取り組まれ,iPS細胞がもてはやされている中、必ずしも時流に流されない鈴木先生らしい研究をすすめておられました。

鈴木先生と.jpg

 若い12名のスタッフの内、7人が日本人で、そのうち3名が心臓血管外科医で、英語やbasic researchに積極的に取り組んでおられました。たくさんの優れた研究テーマと人間性あふれるすばらしい鈴木先生の元へいつか、教室からもぜひ、留学する人が出るように期待しています。

 

【第26回欧州心臓胸部外科学会】

 雪の降る寒いロンドンから、第26EACTSに参加するために一転して暖かい地中海のバルセロナに行きましたMembernominateされたため、はじめて参加でしたが、ヨーロッパだけでなく、アメリカやアジアからの参加者も多く、学会2日前から、Techno College, Postgraduate course5日間と非常に長い学会でした。

学会場.jpg

 話題は、心臓大血管、呼吸器の多岐にわたり、日本からもいくつかの演題が採用され、紳士的な雰囲気の中、心臓関係では、TAVIMICS、血管内治療など活発な議論がされました。すでにTAVIは日常的な治療となり、トピックスとして、MitralClip、ロボット手術、心不全の新しい治療方法など、興味深い内容でした。一方、TEVARについては、日本の学会での議論の方が進んでいるように感じました。また、中には、日本の胸部外科学会レベルよりもかなり低そうな演題もあり、それぞれのお国事情を考えた演題の採択なのかなとも感じました。

 Segesser会長の会長講演、"The Contraindication of Today are the indications of Tomorrow"は、胃潰瘍治療の歴史的な変遷を例に、心疾患や呼吸器疾患の過去、現在、未来について、大変示唆に富んだ内容で、皆さん感激しました。 会長講演?.jpg 会長講演?.jpg  夜の広大なカタルーニャ美術館でのPresidential Dinnerは、ドレスコードがblack tie(といっても、私も含めて、普通のスーツにネクタイの方が大部分ですが)でロマネスク芸術の勉強にもなり、思い出深い一夜となりました。

Presidential Dinner.jpg

 この学会には、日本からも他大学に就職している信大卒後3年目の後期研修医の先生など、若い先生方が大勢参加しており、やはり、国際学会に若い頃から参加して、世界に伍していくような気概が重要だと感じました。 

 今回は、ロンドンに留学している先生方やEACTSに参加している若い先生方とじっくり話す機会があり、改めて海外の学会参加や留学の重要性を再認識した欧州訪問となりました。